2016年12月21日水曜日

1万人目の幸運で、若冲が我家にやってきた

  江戸時代の京都で活躍した絵師である伊藤若冲(1716-1800)は、今年が生誕300年にあたりますので東京・京都などで展覧会が盛大に催されています。

 以前から若冲の絵が好きな私たちは大きな期待をしていましたが、東京都美術館では観るために何時間も待たねば、、、、などと聞いて二の足を踏んでいました。

 ところが幸いなことに名古屋地区でも安城で左のポスターのような催しがあることを家人が新聞広告で知り、それでは何をおいてもと言うことで出かけました。






 開催場所は安城市歴史博物館で、初めて訪れたのですがなかなか立派な建物でした。

 館の南側にも散策できる庭が広がっており、折々には色とりどりの花を楽しむことができそうです。

 遠くに見えているのは笙の塔で、雅楽器のをデザインした、歴史を体感するモニュメント展望台だそうです。



 秋の終わりを告げるモミジがきれいです。 





 こんなに立派な看板もありました。

 それではと展示場に向かったとき見知らぬ紳士に声をかけられました。
 「どちらへ行かれますか?」「若冲さんの絵を観に、、、、」
 、、、、で説明が始まりました。
 この「若冲と京の絵師」展示会で1万人目になりますので行事に立ち会っていただけませんか?とのこと。

 二人ともこのような経験は皆無でしたので、なかなか思考も定まらない状態でしたが。これも経験とてお受けすることにしました。

 次第は、来場者の皆さんに「祝 来館1万人目」のセレモニーがある旨アナウンスがあり、次いで二人でくす玉割り、記念品の贈呈と続きました。
 右写真はいただいた若冲の「雪中雄鶏図」の複製(写真中の左上)と立派な冊子を持っての記念撮影です。
 この画は展示期間の途中で入れ替わり実物は見られませんでしたのでこれもラッキーでした。

 その後、新聞記者の取材を受けましたが未経験の家人にとっては緊張の連続のようでした。

 しばらく時間を置いてから展示室に向かいましたが、このように立派な展示にして入館料は¥300でなおかつ音声ガイドの貸し出しは無料でした。さすが安城は東洋のデンマーク!!

 今回展示されていた美術品を所蔵する細見美術館は、大阪の実業家である細見家三代の蒐集を基に平成10年京都の岡崎公園近く開館したとのことです。

 若冲と言えば誰しも華麗な花鳥図を思い浮かべますが、今回展示の若冲コレクション水墨作品が充実しており、豪快な筆さばきと繊細な細部表現を併せ持った独特な味わいを堪能することができました


 右は『花鳥図押絵貼屛風』で若冲が最も得意とした鶏など鳥の躍動感や、咲き競う花を表したものですが、墨の筆致が見事と言うほかはありません。


 左は『鼠婚礼図』で左上に婚礼の酒盛りを配し、右下に遅れ参じた仲間(それも酔っ払って杯を抱いた友人を尻尾を持って引きずり)を描き、一匹が段の上から早く早くと声をかけている様子を時間と空間の広がりもあわせて表現したのは流石です。
 それ以上に若冲の動物に対する愛情が筆使いの技以上に感じられるのはなぜでしょうか。

 また都で活躍した本阿弥光悦 俵屋宗達 尾形光琳 池大雅 などの作品や工芸品なども合わせ展示してあり大興奮の一日でした。

 というわけで我家にやってきた若冲の雪中雄鶏図」(複製ですが)が玄関に飾られました、お正月用にピッタリです。

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